2013年のドラマ「ダンダリン」の影響により、労働基準監督官が警察と同じように逮捕権限や家宅捜索の権限を持つことを知っている人は、以前よりも増えました。
しかし、その印象が強すぎるせいか、はたまた昨今のブラック企業問題のためか、労働基準監督官がそうした権限をめったに行使しないことに対する監督官の風当たりも強まっているように思えます。
ただし、監督官がめったにそうした権限を行使しないのには理由があります。
まず、労働法の違反は一般的な犯罪と異なり、経営者が知らず知らずのうちに違反している場合が多いのですが、にも関わらず、法違反即逮捕では、会社を起こそうと考える人がいなくなってしまいます。
また、経営者が軽微な法違反で簡単に逮捕されてしまっては、そこで働く労働者の生活も不安定になってしまいます。中小企業などでは会社とはイコールで経営者のことであり、経営者がいなくなった会社がどうなるかは火を見るより明らかでしょう。
労働者を守るための法律のために労働者の生活が不安定になってしまっては、本末転倒というわけです。
そのため、監督官たちは、調査の際は法違反即逮捕ということはめったにせず、是正勧告を行うわけです。
会社が知っておきたい労働基準監督署の臨検調査の真実 |
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1.労働基準監督署の調査への心構え |
2.労働基準監督署調査の流れ |
3.是正勧告と指導の違い |
4.労働基準監督官とは何者なのか |
5.労働基準監督官の権限の限界 |
6.「違法な調査?」と思ったら |
監督署の調査で社労士ができること
- 調査への立ち会い(予告がある場合のみ、だけでなく、場合によっては予告がない場合でも立ち会いできることがあります)
- 労働法違反に対する是正のアドバイス
- 是正報告書の作成及び提出の代行
- (監督署の是正勧告が不当と思われる場合のみ)、監督署への上申書の作成及び提出の代行