今年の3月に発行された、わたしの拙著「定年後再雇用者同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」ですが、この度、増刷されることになりました。
正直、めちゃくちゃ嬉しい。
実を言うと、わたしの過去の本というのは基本的には出版社さんの方から「書いてください」と言われて書いたものでした。
ただ、今回の「定年後再雇用者同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」は、わたしの方から出版社さんに「書かせてください」と持ち込んでいます。
なので、今回結果が出なかったらヤバいな、と執筆中もずっと思っていたので、今回の増刷は、最初の『「働き方改革法」の実務』が出たときより嬉しいまであります。
1. 「定年後再雇用者同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」を簡単に紹介
やったー、うれしい、で、今日のブログを締めてもいいんですが、それだとTwitterでやれという話になるので、改めて「定年後再雇用者同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」についてご紹介。
1.1. 「定年、再雇用を理由に賃金を大幅に下げる」という雇用慣行の今後
「定年後再雇用者同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」のメインとなるのは「定年、再雇用を理由に賃金を大幅に下げる」という、日本の多くの会社で行われている雇用慣行の今後です。
こうした雇用慣行がなぜ行われるようなったのか、過去の歴史や現行の法制度から見ていくのが最初の第1章。
次の、第2章では、高年齢者雇用安定法を始めとする、高齢労働者の働き方に影響を与える法改正が行われた令和2年の通常国会での法改正の内容について詳しく解説しています。
そして、第3章ではいよいよ、本書のタイトルにも入っている「同一労働同一賃金」について解説しているのですが、こちらは実は「定年後再雇用者の同一労働同一賃金」に焦点を絞った内容には必ずしもしておらず、広く同一労働同一賃金そのものを解説するものとなっています。これは「定年後再雇用者の同一労働同一賃金」と内容を絞ると、逆にわかりづらいと考えたためです。
第4章は本書のメインともいえる部分で、では、いかに時代の流れに対応し、定年後再雇用者の労働条件を決定していくかについて具体例を用いつつ解説しています。
最後の第5章は、今年の4月に施行された改正高年齢者雇用安定法の解説を中心に、70再雇用等への対応について解説しています。
2. あくまでも中小企業から見た現実的な視点で
こういってはなんですが、専門書の中には、ときに行政の言ってることをそのままスピーカーのように拡散しているだけだったり、ときに大企業にはできても中小企業にはとてもできないようなことをやれと書いてあったりするものがあります。
ただ、わたしとしては、常日頃から中小企業の経営者や人事労務担当者と接している身ですので、そういう本に違和感を感じてしまいます。
そういったこともあり、本書では中小企業でもできるようにするには、というかなり現実的な視点で、定年後再雇用者に関連する対応実務を提案をさせていただいています。
これからの労務管理で避けて通れない定年後再雇用者の問題に対応するため、是非、本書を手に取っていただければと思います。