安全衛生

Q7 衛生委員会を設置しなさいと監督署から言われました。衛生委員会とは何ですか?

2016年5月27日

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Q7 衛生委員会を設置しなさいと監督署から言われました。衛生委員会とは何ですか?

2016年5月27日

1. A7 衛生委員会は常時50人以上の労働者がいる事業場で、労働者の健康の保持増進等のため設置する必要のある委員会です

1.1. 衛生委員会と安全委員会、安全衛生委員会

衛生委員会とは、業種にかかわらず常時50人以上の事業場で設置が義務づけられているもので、主に労働者の健康の保持増進を目的に設置されます。

また、常時50人以上の屋外・工業的業種の事業場の場合、衛生委員会に加えて、労働者の安全を目的とする安全委員会を設置しなければなりません。

安全委員会は衛生委員会と一本化して安全衛生委員会とすることも可能です。

 

1.2. 衛生委員会とは

衛生委員会は、常時50人以上の全ての事業場で、設置する義務があります。

衛生委員会で話し合う必要のある内容は以下の通りです。

  • 労働者の健康障害防止のための基本対策
  • 労働者の健康の保持増進を図るための基本対策
  • 労働災害の原因及び再発防止対策の中で、衛生に係ること
  • その他、労働者の健康障害防止及び健康の保持増進に関する重要事項

 

また、衛生委員会の委員の人数は任意とされていますが、以下の資格を持つもので構成されていなければなりません。

  • 総括安全衛生管理者(※)、または事業の実施を統括管理する者等(選任は1名のみ)
  • 衛生管理者
  • 産業医
  • 衛生に関して経験がある労働者
  • 作業環境測定士(任意)

※ 一定の規模および業種で専任する必要のある、事業所での安全および衛生を統括管理する者(中小企業では殆どの場合選任義務なし)

 

1.3. 安全委員会および安全衛生委員会

以下の屋外・工業的業種では、衛生委員会の他に安全委員会を設ける義務があります。安全委員会を設ける場合、衛生委員会と一本化して、安全衛生委員会を設立することもできます。

業種 労働者数
林業、鉱業、建設業、製造業(木材、木製品、化学工業、鋼鉄業、金属製品、輸送用機器具製造業に限る)、運送業(道路貨物、港湾運送業に限る)、自動車整備業、機械修理業、清掃業 常時50人以上
製造業(物の加工業を含む。上で挙げたものは除く)、運送業(上で挙げたものは除く)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 常時100人以上

 

また、安全委員会で話し合う必要のある内容は以下のとおりとなります

  • 労働者の危険防止のための対策
  • 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係ること
  • その他、労働者の危険防止についての重要事項

 

また、安全委員会のの委員の数は任意とされていますが、以下の資格を持つもので構成されていなければなりません。

  • 総括安全衛生管理者、または事業の実施を統括管理する者等(選任は1名のみ)
  • 安全管理者
  • 安全に関して経験がある労働者

 

1.4. 委員会の会議について

衛生委員会、安全委員会、安全衛生委員会は毎月一回以上定期に開催する必要があります。

また、委員会の議事録には3年間の保存義務があります。

その他、委員会の開催が行われた際は、その都度、遅滞なく、労働者に周知する必要があります。

 

1.5. 働き方改革に伴い追加された事項

働き方改革に伴う法改正により、衛生委員会または安全衛生委員会は、委員会の開催都度、以下の事項について記録し、これを3年間保存する義務が追加されました。

  • 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容
  • 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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