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2019年度から雇用関係助成金の不正受給対策が強化

2019年3月28日

1. 雇用調整助成金は年度ごとに内容が変わる

特定高度専門業務・成果型労働性(高度プロフェッショナル制)の省令が今週ようやく改正されたように、年度末ということもあり、省令改正が立て込んでいます。

特に影響、というよりは多くの会社にとって関心が大きいのは雇用関係助成金、いわゆる「助成金」についてでしょう。

助成金の種類や個々の細かい内容については雇用保険の省令で決められていることであり、加えて助成金は毎年4月に一定の変更を加えられることが常となっているので、助成金関連の省令はいつもこの時期に改正されます。

今年もその例に漏れず、明日には改正される予定ですが、すでに審議会で改正の概要が出ています。

雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(リンク先:PDF 出典:厚生労働省)

結果、去年から以下のように助成金の種類が統廃合されるようです。

雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱(リンク先:PDF 出典:厚生労働省)

個々の助成金の詳しい内容についてはひとまず置いておき、今回はこの省令改正で強化された助成金の不正受給対策について。

 

2. 不正受給者に対する納付金の新設

今回の改正で行政は、不正受給をした事業主に対し、不正受給額の20%に相当する額以下の納付金を支払いを命ずることができるようになりました。

これまでも不正受給をした事業主に対し、元本と延滞金の請求は行っていましたが、今回はそれらにプラスして納付金(違約金相当)の支払いを命ずることができるようになったわけです。

 

3. 不支給期間の延長・対象の拡大

助成金の不正受給を行った場合、現状では以後3年間は助成金の支給を受けられないようになっています。

不支給期間となるこの3年という期間が、今回の改正で5年間に延長されました。

また、不正受給を行った事業主の役員等(不正に関与した役員等に限る)が他の事業主の役員等となっている場合、不正に関与した役員等のいる会社(事業主)も同様に5年間、助成金の支給が受けられなくなります。

 

4. 不正を行った社会保険労務士、代理人及び訓練実施者への対応

社会保険労務士、代理人及び訓練実施者が不正受給に関与していた場合、その関与していた社会保険労務士、代理人及び訓練実施者は連帯債務者となります。よって、不正受給の返還請求の対象となります。

また、不正受給に関与していた社会保険労務士、代理人及び訓練実施者は公表の対象となります。

加えて、不正に関与した社会保険労務士及び代理人が行う雇用関係助成金の申請は、事業主の不支給期間と同期間、すなわち5年間、行政から受理されなくなってしまいます。

同様に不正に関与した訓練実施者が行った訓練は、事業主の不支給期間と同期間、助成金の対象とはなりません。

 

以上です。

不支給期間が長くなった分、強引に助成金の申請を勧めてくる社労士やコンサルには気をつけた方が良さそうですね。

まあ、不正受給を行えば助成金を勧めた側も同罪扱いとなるようにはなったので、そこまでのリスクを冒すところはいろいろな意味で「よっぽど」だとは思いますけどね。

 

今日のあとがき

ブログで飯のことを書くようになったら終わりだとよく言われますが、あとがきくらいは許してということで、写真は昨日食べたドトールのカマンベールと海老グラタンのミラノサンド。

生野菜が苦手なので、普段はミラノサンドを頼まないのですが、こちらは一切野菜なしな上にエビにマカロニにチーズにと、自分の好きなものしか入ってない至れり尽くせり感。

結構前から気になっていたのですが、なかなか機会がなく、昨日ようやく食べられたのですが、予想通りのかなりどストライク。

しばらくはドトールに行く回数が増えそうです。

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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