この記事の目次
1. 清算期間の最大が1か月から3か月になったことで発生する義務
1.1. フレックスタイム制の大改正
働き方改革による労働基準法の改正により、フレックスタイム制の清算期間の最大が1か月から3か月に変更されます。
ただ、今回は法改正やフレックスタイム制自体の解説はメインではないので、そちらが気になる方は以下の記事をご覧ください。
フレックスタイム制とは? メリット・デメリット、導入方法を解説
労働基準法改正で変わる「フレックスタイム制」の変更点を解説(2019年4月1日施行)
1.2. 労使協定の届出義務
延長されていいことばかりかというと、そういうわけでもなく、それに合わせて会社は様々な義務を負うことになります。
そのうちの1つが労使協定の届出義務です。
フレックスタイム制を導入するためには、労使協定を締結する必要があります。
これは法改正前から変わりません。
ただ、この労使協定に関してはこれまで行政官庁への届出義務はこれまでありませんでした。
1.3. 義務があるのは「1か月を超え3か月以内の清算期間を定める場合」
しかし、フレックスタイム制で1か月を超え3か月以内の清算期間を定める場合、この労使協定の届出が義務づけられます。
届出義務の対象となるのは「1か月を超え3か月以内の清算期間を定める場合」なので、法改正前と変わらず清算期間を1か月以内とする場合、届出義務は発生しません。
2. 届出には労使協定と「協定届」が必要
ただ、労使協定の届出が必要、といっても、労使協定だけ出せばいい、というわけではありません。
労使協定と合わせて「協定届」というものも監督署に提出する必要があります。
この労使郷って意図協定届の関係性は、1年単位の変形労働時間制を導入している会社の場合、なじみ深いかも知れませんね
2.1. 官報で公表された協定届の様式
この「協定届」の様式が官報で公表されています。それがこちら。
出典:インターネット版官報
ざっと見ていただければわかると思いますが、フレックスタイム制導入のために労使協定をきちんと導入し、運用している会社であれば、書くのに迷う箇所はないでしょう。
当然、コアタイム・フレキシブルタイムを導入していない場合、この箇所を書く必要はありません。
個人的には新しい36協定に追加されている「労働保険番号」と「法人番号」を書く欄が、こちらの協定届には何故ないのか気になります。
今日のあとがき
36協定に「労働保険番号」と「法人番号」を追加したということは、それを基に監督署が事業場への取り締まりを強めるものだと思っていました。
なので、フレックスタイム制の協定届になぜ「労働保険番号」と「法人番号」を書く欄がないのか疑問に思ったわけですよ。
固有番号というのは管理に適したものなので。
でも、フレックスタイム制のにはないってことは、すでにこれで管理する気がないのでは、そもそも36協定の番号を書く欄もただの「飾り」なのでは、という疑問が拭えません。
「飾り」を埋めるのだって手間であり労働時間なんですがね!