6月12日、厚生労働省で「第1回 解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」が開催されました。
いわゆる「解雇の金銭解決」と呼ばれるものですが「金で解雇する」というイメージが一般的には強く、故に一般層での評判の悪い制度となっています。
ただ、現状の解雇に関する裁判では「戻らせてくれ」という裁判はできても、不当な解雇だから「金をよこせ」ということはできません(解雇の裁判で金銭が発生してるのはたいてい未払い残業等があるから)。
なので、いわゆるブラック企業でに使い捨て同然に解雇されても、労働者からすると戻りたくないところに「戻らせてくれ」という訴訟しかできないのが現状です。
また、実際の労働事件では解雇について最終的には労使の話し合いの上「金銭で解決される」ということが多いのも事実です。
今回は第1回ということもあり、過去の委員会で検討された事項のおさらいや、以下のように論点の洗い出しが行われています。
- 対象となる解雇
- 労働者が金銭の支払を請求する権利
- 使用者による金銭の支払
- 労働契約解消金請求訴訟と他の訴訟との関係
- 金銭的予見可能性を高めるための方策
- 時間的予見可能性を高めるための方策
- その他
本制度がマスコミで大きく取り上げられるようになると、また、高プロや裁量労働制のような騒ぎになりそうで憂鬱ですが、あくまで制度は制度、システムに過ぎない以上、よりよい制度設計で多くの人が救われるようになることを願いたいものです。
資料:解雇無効時の金銭救済制度に係る主な法技術的論点について(リンク先PDF 出典:解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会 第1回資料(厚生労働省))