監督署の臨検調査

平成29年度の「過重労働解消キャンペーン」の結果が公表されました

定期的にブログ更新が滞る最近の本ブログですが、またしばらく難しそうなのでその報告がてら今日は軽めに。

何年か前から厚生労働省では11月を「過重労働解消キャンペーン」と題し、全国の事業場に対して労働時間等に関する調査を強化しています。

昨年度の過重労働解消キャンペーンで調査を受けたのは7635事業場。

うち、労働基準法などの法令違反があったのは5029事業場で、調査を受けた事業場のうち65.9%が何かしらの違反があったという結果となっています。

65.9%「も」と思うかもしれませんが、これでも昨年よりは比率が下がっています。

また、初めて行われた平成26年度から見ても毎年右肩下がりとなっており、徐々にですが労働基準法などの労働法へのコンプライアンス意識が高まっていると前向きに捉えても良いのではないでしょうか。

平成29年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表(出典:厚生労働省・報道発表資料)

 

一方で、今回の調査で唯一、違反の割合が増加しているのが「労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの」という項目。

こちらの項目で違反が増加している背景には平成29年1月に公表された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の存在が考えられます。

要するに、監督署の方こちらのガイドラインを基に調査を行う一方、事業場の側はそれを踏まえた対応が追いついていなくて、結果「指導」となったのではないでしょうか(あくまで筆者の予想ですが)。

「過重労働解消キャンペーン」は今年度も行われることが予想されるため、法令順守だけでなくこちらの「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」についても押さえておきたいところです。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(出典:厚生労働省)

 

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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