その他労務管理

「メーデー」って何? と日本の主要な労働組合の今年のメーデーについて

2017年5月1日

GWの中日である本日、5月1日は世界的にはメーデーとなっています。

メーデーとはアルファベット表記で「May Day」、直訳すると5月の日となるように、もともとは夏の訪れを祝う「五月祭」の日だったのが、近代に入り紆余曲折を経て「労働者の日」に変化しました。

労働者の日なので、世界的には労働者によるデモなどが盛んに行われることが多いですが、日本は正直そうでもないですね。

というのも、日本には春闘があるから。

たまにごちゃ混ぜにされますが、春闘とメーデーは違います。

春闘は4月の定期昇給前に行われる労使間の交渉のことです。

春闘で労働者と使用者が大事な交渉をし終わった後にメーデーがあるので、どうにも盛り上がりに欠けるというわけです。

また、日本の労働者の日というと11月23日の「勤労感謝の日」がありますが、こちらは戦前の新嘗祭の日がGHQの占領政策によって改められたもので、メーデーとはあまり関係がありません。

まあ、勤労感謝に日があることによって「労働者のための日は年に2つもいらないとなり」、世界的に休日であることの多いメーデーが、日本では国民の祝日となってない、という関連はありますが。

 

1. 連合のメーデー

で、今年のメーデーなのですが、日本最大の労働組合である連合が厚生労働大臣、東京都知事、野党党首と、豪勢なメンツ集めて、基本的には現在の安倍内閣で進められている「働き方改革」を進めていく姿勢を見せています。

第88回メーデー中央大会を開催 長時間労働の撲滅 ディーセント・ワークの実現 今こそ底上げ、底支え、格差是正の実現を!

まあ、連合の会長は働き方改革実現会議にも出席しているので当然と言えば当然でしょう。

 

2. 全労連・全労協のメーデー

一方、連合以外の主要な労働組合とみなされている全労連および全労協はどうかというと、今年、過去の歴史上初めて両者の幹部が出席し、連携をアピール。

メーデー、各地で集会 全労連と全労協が連携アピール

で、全労連の議長が「新たな歴史の一ページ」と呼ぶ日の両者のスローガンがこんな感じ。

  • 戦争法廃止!許すな共謀罪!憲法改悪を許さない!
  • 市民と野党の共闘で安倍「暴走」政治STOP!
  • なくせ貧困と格差 大幅賃上げ・底上げで景気回復、地域活性化
  • いますぐどこでも最賃1000円に 全国一律最賃制の実現
  • 安倍「働き方改革」反対 なくせ過労死 8時間働いて暮らせる賃金を
  • 年金・医療・介護など社会保障制度の拡充 消費税10%増税の中止
  • 被災者の生活と生業を支える復興 原発の再稼働反対、原発ゼロの日本
  • 南スーダンからの自衛隊即時撤退 特定秘密保護法の廃止
  • 安倍「教育再生」反対 辺野古新基地建設反対 オスプレイ全国配備・訓練反対
  • 核兵器全面禁止条約の実現

第88回中央メーデー

うん、労働組合の集会なのか、左翼の集会なのかわからんことばかり言っておりますな。

自衛隊のスーダン撤退と労働者の権利に何の関連があるんだよー。

まあ、全労連は共産党と、全労協は社民党と関連ある組織なので、彼らのプロパガンダとは一致するのかもしれませんが、まともな労働者の支持を集めるのは難しいでしょう。

何度も言うけど、大半は労働者関係ねえし。わざわざメーデーにやんなって話。

 

今日のあとがき

自分があまりメーデーのことを知らなかったのでいろいろ調べてみましたが、日本のメーデーも昔はそれなりに活気があったみたいですね。

ただ、クリスマスとかハロウィンとか、最近だとイースターも徐々に押されてきてるけど、外国の行事を貪欲に取り込んできた日本ですが、メーデーは昔に比べると定着どころか、離陸が始まっているようですね。

 

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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