今年の1月に改正法が施行されたばかりの育児介護休業法ですが、年度末にさらなる改正が行われました。
今年の1月のに比べると改正される内容は多くありませんが、忘れずチェックしておきましょう。
以下の内容はいずれも今年の10月1日より施行となります。
この記事の目次
1. 育児休業を子どもが最大2歳まで延長可能に
こちらについてはメディアでも報道されたのでご存じの方も多いかもしれませんね。
現行法では育児休業は原則、子どもが1歳に達するまでとされていて、その時点で保育所等への入所が決まらない場合、例外的に1歳6ヶ月まで延長できるようになっていました。
しかし、保育所の入所時期というのは基本的には年度単位のため、例え6ヶ月延長されても、休暇の期間が年度末にかからないと、子どもの保育所は決まらないけど育児休業も取れない、という状況が起こっていました。
これが最大2歳までとなったことで、育児休業中に年度末が2回迎えられるようになります。
参考: 雇用保険法等の一部を改正する法律の概要(参照:厚生労働省)
2. 今回の改正で新設されるもの
今回の改正で一番大きなものは上のものなので、基本的にはこれだけ覚えておけば大丈夫なのですが、以下の通り、他に2つ改正があります。
2.1. ① 育児休業制度等の個別周知
今年の10月より、事業主は当該労働者やその配偶者が妊娠・出産した場合や家族を介護をしていることを知った場合、その労働者に対して。「個別に」育児休業や介護休業について周知することに努めることが義務づけられます。
育児休業等に関する周知については、育児介護休業法21条に努力義務として規定されれていますが、こちらの規定は「育児介護休業中の待遇」や「育児介護休業後の労働条件」の周知が努力義務とされているだけでした。
今回の改正は、そうした制度が利用できる労働者に対して、制度そのものの周知をしてあげなさいよ、というのが改正内容です。
努力義務なので、しなくてもいいといえばいいのかもしれませんが、しておいた方が後で問題になりにくいのではと思います。
2.2. ② 育児目的休暇の新設
こちらも努力義務ですが、今回の改正で「育児目的休暇」というものが新設されます。
こちらは、特に男性の育児参加の促進を目的としており、就学前までの子を有する労働者が対象ですが、努力義務のため日数や方式などの詳細は特に法律上は決まっておらず、会社の裁量に任されている格好です。
似た制度に子の看護休暇がありますが、こちらの利用は基本的の女性が多いため、新設されたのかもしれません。
今日のあとがき
最長2歳までの育児休業の延長以外は努力義務のため、制度を整えるのはできるところだけで問題ないと思いますが、努力義務というのは大抵、何年かしたら義務化していたりするものなので、一応でも押さえておいて損はないでしょう。