昨日の続き。
この記事の目次
1. プレミアムフライデーとは
昨日のコピペですが、まずはプレミアムフライデーの説明。
プレミアムフライデーとは、月末の金曜日を15時退社にして、余った時間を消費に使おうという取り組み。
時短勤務の推奨なので厚生労働省の発案のように思えますが、実際には、消費が主目的ということからもわかるとおり、経産省と経団連の発案です。
2. 就業規則・労働契約で対応
昨日はタイトルに「就業規則」とか「労働契約」とかあるくせに、その辺に全然触れておりませんでしたのでまずはそこから。
休業手当分の給与を支払っていたとしても、民法上のリスクが残るのであれば、いっそのこと就業規則や労働契約ごと変えてしまおう、と考える会社もあるかもしれません。
これに関しては、就業規則の規定変更自体は、労働時間の条文に「月の最終金曜日のみ終業時刻を15時とする」と付け加えるくらいで済みます。
ただし、所定労働時間の短縮は賃金の低下につながるため、労働者側からすると就業規則の不利益変更となります。よって、労働者の合意が必要となる点に注意が必要です。
もちろん、短縮しても賃金については「通常の終業時刻まで働いたとみなす」みたいな規定があれば、不利益変更とはならないので問題にはなりませんが。
労働契約に変更については利益・不利益問わず「合意」による変更が必要です。
3. 変形労働時間制で対応
業務命令や、就業規則や労働契約の変更以外の方法としては変形労働時間制を利用する方法があります。
会社側のメリットとしては、短縮した労働時間を他の日に回せる点。
例えば、所定労働時間が8時間、終業時刻が18時の会社の場合、15時退社すると3時間、労働時間が短縮されるわけですが、この3時間分を1時間ずつその月の金曜日にプラスする、ということもできます。
これは1年単位の変形労働時間制でも、1ヶ月単位の変形労働時間制でも、どちらでも可能です。
デメリットとしては労働者と労使協定を結んだり、変形労働時間制の届出を監督署に提出しないといけない点。要するに手間がかかるわけです。
おまけに、1年単位の場合は変形期間に入ってしまうと、途中でカレンダーの変更等はできなくなってしまいます。
年度で1年単位の変形労働時間制の期間を更新している会社も多いと思いますので、そうした会社は今の時期を逃すと1年後からしか変形労働時間制を利用した方法での導入ができなくなる点にも注意が必要です。
4. まとめ
以上です。
前回の含めてまとめると、まずプレミアムフライデーの導入には
- 業務命令
- 就業規則・労働契約の変更
- 変形労働時間制
の3つの方法があります。
ただし、それぞれに気をつけないといけない点があって、
- 業務命令 → 昨日の記事にまとめてあるのでそちらを
- 就業規則・労働契約の変更 → 基本的に労働者の合意が必要
- 変形労働時間制 → 手続きが面倒&タイミングを逃すと導入が遅れる
といったようになっています。
今日のあとがき
月末の金曜日などというバカみたいに忙しい日にわざわざ休みを取る必要性はないので、わたし自身はプレミアムフライデーを無理に導入することはオススメしません。
ただ、昨日今日と解説したことはプレミアムフライデー以外の特定の日や曜日の労働時間を短縮する場合にも使えたり、気をつけないといけないことだったりするのでご参考にしていただければと思います。