労働保険・社会保険制度の解説

健康保険・介護保険・雇用保険の最新(平成29年)の保険料率と知っておきたい料率の変更時期

2017年2月13日

平成29年4月納付分(3月分 ※)からの協会けんぽの健康保険料率が以下のように決定しました。

北海道 10.22% 滋賀県  9.92%
青森県  9.96% 京都府  9.99%
岩手県  9.82% 大阪府 10.13%
宮城県  9.97% 兵庫県 10.06%
秋田県 10.16% 奈良県 10.00%
山形県  9.99% 和歌山県 10.06%
福島県  9.85% 鳥取県  9.99%
茨城県  9.89% 島根県 10.10%
栃木県  9.94% 岡山県 10.15%
群馬県  9.93% 広島県 10.04%
埼玉県  9.87% 山口県 10.11%
千葉県  9.89% 徳島県 10.18%
東京都  9.91% 香川県 10.24%
神奈川県  9.93% 愛媛県 10.11%
新潟県  9.69% 高知県 10.18%
富山県  9.80% 福岡県 10.19%
石川県 10.02% 佐賀県 10.47%
福井県  9.99% 長崎県 10.22%
山梨県 10.04% 熊本県 10.14%
長野県  9.76% 大分県 10.17%
岐阜県  9.95% 宮崎県  9.97%
静岡県  9.81% 鹿児島県 10.13%
愛知県  9.92% 沖縄県  9.95%
三重県  9.92%

参照:平成29年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます

東海三県を見ると、愛知県は9.97%から9.92%となり、0.05%引き下げ。

岐阜県は9.93%から9.95%と0.02%引き上げ、三重県は9.93%から9.92%と0.01%の引き下げとなりました。

また、介護保険料率は全国一律で1.65%に変わります。こちらは平成28年度が1.58%だったので、0.07%の引き上げとなります。

ちなみに、上記の料率は労使で折半する前の料率となります。

※ 社会保険の保険料は、法律上は当月の給与から前月分の社会保険料のみ控除できることになっている。そのため、3月から保険料率が改定される場合、その料率に基づいた保険料を支払うのは翌月となる4月から。(ただし、実務上は4月分の社会保険料を4月分の給与から引いてることも多く、その場合は4月分の給与から保険料率を変えることになる)

 

1. 法改正により雇用保険の保険料率も変更

雇用保険についても、今年の4月より料率が変更となることがほぼ決まっています。

ほぼ、というのは法律の改正前だからですが、法案自体が通らないということはまずないでしょう。去年も超ギリギリながら通したし。

法改正によって変更された場合の料率は以下の通り。

平成29年度変更予定の雇用保険料率(カッコ内は平成28年度の料率)

①+②
雇用保険料率
①労働者負担 ②事業主負担
一般の事業 0.9%(1.1%) 0.3%(0.4%) 0.6%(0.7%)
農林水産・清酒製造の事業 1.1%(1.3%) 0.4%(0.5%) 0.7%(0.8%)
建設業 1.2%(1.4%) 0.4%(0.5%) 0.8%(0.9%)

参考:平成29年度「雇用保険料率」を引き下げるための法律案を国会に提出しました(リンク先PDF 雇用保険料率について)

 

2. 覚えておきたい公的保険の保険料率の変更時期

さて、変わったよー、だけでブログを締めてしまうのも何なので、最後は人事労務担当者が気をつけないといけない公的保険の保険料率の変更時期についてまとめておきましょう。

人事労務の世界で気をつけないといけない公的保険は以下の5つ。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

今回冒頭で変更の話をした健康保険と介護保険については基本は4月納付分から、雇用保険に関しては毎年4月が変更のタイミングとなります。

なので、人事労務担当者の方は今くらいの時期になったら、そろそろどうなっているか気にかけておいた方が良いでしょう。

ただし、特に健康保険と介護保険については、年度によって多少前後することがある点に注意が必要です。

 

3. 厚生年金の保険料率が上がるのは今年まで

では、厚生年金保険と労災保険はどうでしょうか。

まず、厚生年金保険に関しては今年までは10月納付分(9月分)の保険料から改定です。

厚生年金保険の保険料は平成16年以降、毎年一律で0.354%アップしていましたが、それも平成29年の9月まで。

平成29年9月に18.3%(労使折半する前)になった後は、法改正がない限り、今後は変わることはありません。

ただ、これは健康保険と介護保険も同じですが、同時期に標準報酬月額の定時改定(いわゆる算定)があるので、この時期に保険料が変わる可能性があることに変わりはありません。

 

4. 労災保険は3年に1度

労災保険については、3年に1度、保険料率の見直しが行われていて改定時期は4月となります。

直近で改訂が行われたのは平成27年4月のため、次は来年である平成30年4月に変更される可能性があります。

 

以上です。

保険料率の変更時期についてまとめると、

  • 健康保険 ー 基本は4月納付分
  • 介護保険 ー 基本は4月納付分
  • 厚生年金保険 ー 10月納付分(ただし、平成30年以降は変更なし)
  • 雇用保険 ー 4月
  • 労災保険 ー 3年に一度の4月(次回は平成30年予定)

 

となります。

 

今日のあとがき

公的保険は保険料率が毎年のように変わるので、変更時期をきちんと抑えておかないと、いつの間にか変わってた、ということになりかねないのでちゃんと覚えておくか、この記事をブックマークしておくといいでしょう(笑)。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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