外国人を雇用する際、事業主には「外国人雇用状況」の届出をする義務があります。
外国人を雇用しているけど、そんなの出したことがない、という方もいるかもしれませんが、その外国人労働者を雇用保険に加入させているのであれば問題ありません。
雇用保険の取得届の備考欄には、届出に必要な在留資格、在留期間、国籍・地域等を記載する箇所があるからです。
なので、その部分をきちんと書いていれば何も問題はありませんし、仮に抜けていても、普通はハローワークの職員が気付いて、書くよう指導されるはずです。
ちなみに労働条件の関係で雇用保険に加入させていない外国人労働者がいる場合は、個別に届出が必要となります。
参考:届出様式について(厚生労働省)
1. 雇用される外国人数は過去最高を更新
この、外国人雇用状況の届出を元にした統計情報が毎年1月末に発表されています。
それによると、10月末までの外国人労働者数は108万人。
これは去年の91万人から17万5千人増え、過去最高ですが、この数字には外国人雇用状況の届出が出されていない分は含まれていないので、実数はこれよりも多いのは確実です。
国籍別の状況としては1位が中国で34万4千人、ベトナムが17万2千人、フィリピンが12万7千人、ブラジルが10万6千人となっていて、いずれの国籍でも、昨年よりも増加しています。
ただし、中国に関しては昨年と比べて6.9%増と微増にとどまっています。
一方で、ベトナムは56.4%と5割以上も増えていて、日本企業からの人気がうかがえます。
わたしが関与している製造業の会社さんでも、数年前から中国人からベトナム人への転換を進めているところがあり、理由を聞くとその真面目さが好まれているようです。
ちなみに、外国人を雇用している企業が多い都道府県は、1位は言うまでもなく東京ですが、2位は愛知県です。それも3位神奈川の6万人のほぼ倍の11万人が働いています(東京は約33万人)。
ちなみに愛知は事業所の数でも、東京に次ぐ2位となっていて、産業別の外国人の雇用状況で製造業が多いことも相まって、愛知の製造業の強さがうかがえる結果となっています。
人手不足の時代のため、外国人労働者の雇用を考えている企業も少ないかもしれませんが、実際、30人未満の小規模の事業所での雇用が進んでいるようです。
そうした規模ですと、法的な部分で抜けがないとも言い切れません。規則の整備や行政の手続きで抜けがないよう気をつけましょう。
参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)(厚生労働省)
今日のあとがき
昔はサービス業で外国人というと、見た目が日本人に近い中国人のかたが多いイメージでした。
ただ、ここ最近ではそれ以外の国の方も増えた印象がありますね。
家の近くのコンビニは3分の1くらいは外国人が働いてるっぽいですが、名札を見る限り中国名らしき人は1人もいませんし。