就業規則

法改正の施行前に、改正に対応した就業規則や各種規程を監督署に提出してもいいの?

先日、ブログの記事にした「育児休業の延長」について、厚生労働大臣への建議が済み、次の通常国会での提出となる見込みとなりました。

労働政策審議会建議「経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について」を公表します

おーい、こっちはまた、育児介護休業規程の改正ですか?

来月から改正法が始まるっていうのに。

そのためにどこも育児介護休業規程を改正してるって言うのに。

社労士はそれが仕事だけど、会社はそういうのの対応にいちいち手間取られたくないってわからないのかね?

事前の話の通り、延長期間は最大でも子どもが2歳になるまでのようですが、細かい話は法律が国会を通って、厚生労働省が省令作って、通達出すまでわからないので、この話はこのくらいで切り上げます。

 

1. 施行日前の改正法に対応した規則の提出は可能?

で、早いところだと、来月の改正の育児介護休業法に対応した育児介護休業規程をすでに作成済みのことでしょう。

まだのところはなるべく早く改正した方がいいと思いますが、年末進行のこの時期はなかなか難しいかもしれませんね。

さて、育児介護休業規程は、就業規則の一部に当たるので、作成・変更した場合は監督署に届出なければなりません。

しかし、今回の育児介護休業規程については、まだ法改正の施行日前。

この場合、この改正した育児介護休業規程はもう提出してもいいのでしょうか?

 

2. 重要なのは「周知」と「施行日」

答はYES。提出しても構いません。

ただし、従業員に内容をきちんと周知し、育児介護休業規程の施行日を来年の「1月1日」としておく必要があります。

施行日を「平成29年1月1日」にしておけば、法改正の施行日前である平成28年12月までは、改正された育児介護休業規程ではなく、その前の規程が有効であることが示せます。

また、就業規則が効力を持つには監督署への提出だけでは足りず、従業員に内容を周知する必要があるので、提出前に当然行っておく必要があります。

この周知の際に「改正された育児介護休業規程は来年の1月1日から」と周知しておけば問題はないわけです。

法改正前に監督署に持っていったとして、監督署は受け取ってくれないんじゃないか思う人もいるかもしれませんが、全部、ここに書いて有ることは全部監督署の人から聞いた(そして、その通り実践した)ことなので、その心配もありません。

何より、就業規則に変更があった場合は「遅滞なく」届け出る必要があるため、変更があった場合は、焦って出して間違ってたでは意味が無いのであれですが、あまり遅れないように提出する必要があるのでお忘れなく。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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