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会社が「ポケモンGO規定」などのルールを作成する必要がない理由

2016年7月27日

ポケモンGOが日本でも正式に配信されましたね。

ただ、最初はお祭り騒ぎだったメディアも、日が経つに連れ、ネガティブな報道も増え始めました。

ポケモンGOの女性に写真撮られた? 暴行の男逮捕

20万円で落札も 「ポケモンGO 」、アカウント不正売買が横行…問題山積

ポケモンGOに興じる人を「心の底から侮蔑します」 やくみつるさんが持論

で、それに影響されてなのか、以前、このブログで書いた

ポケモンGO関連のこちらの記事にもちょこちょことアクセスが集まってきています。

なぜ、ネガティブ報道の影響と思ったかというと、検索ワードが「ポケモンGO」と「社内ルール」だったり、「ポケモンGO」と「会社規則」だったりと、問題になっているので社内で何らかのルールを設けたほうがいいのかな、と思っているように推測できるものが多かったから。

ただ、結論から言うと、いくらポケモンGOが問題になっているとしても、例えば「ポケモンGO規定」みたいな、ポケモンGO専用規定を作成する必要はありません。

 

1. それはポケモンGOのせいなのか

なぜ、「ポケモンGO規定」を作成する必要はないのか、といえば、一般的なスマホ・携帯電話に関する規定やSNS規定がきちんとあれば、ポケモンGOで会社が被害をうけるような事態にはならないからです。

現在、ポケモンGOで問題になっているのは、

  • 歩きスマホなど移動しながらスマホの増加
  • 就業時間中に遊ぶ
  • SNS上でのデマ(レアポケモンがいた、など)
  • アカウントの不正売買
  • ポケモンが出やすいエリアに人が集まり、周辺環境が悪化
  • 入ってはないけないところへの侵入 など

などです。

で、これらの問題、どれも「ポケモンGOだから起こった」わけではなく、「問題起こした奴がやってたのがたまたまポケモンGOだった」という場合の方が多いと思われます。

コンサルタントの永江さんもおっしゃるように、

ポケモンGOで歩きスマホや自転車スマホするようなどうしようもないバカは、LINEやTwitterとか他のソーシャルゲームやりながらでも、歩きスマホや自転車スマホするバカなわけです。

歩きスマホ以外にも、就業時間中にパズドラとかモンストやる奴は前からいたし、デマを流すようなバカはポケモンGOどころか、熊本や東日本の地震のときにすらいました。

アカウントの不正売買にしても、これはいわゆるRMT(リアルマネートレーディング)の一種で、オンラインゲームでは昔から切っても切り離せない問題。

人が集まるところの環境が荒れやすいのもライブ会場やスポーツ施設等で古くからある問題です。ポケモン捕まえたくて入ってはいけないところに入るなんて、ただの不法侵入だし。

 

2. 「ポケモンGO規定」ではなく「スマホ規定」

というわけで、ポケモンGOでいま起こっている問題は、どれもポケモンGOによって新しく生まれたわけではありません。ポケモンGOのプレイヤー数が膨大なため、バカがバカやるところを見る機会が増えてしまっただけです。

よって、会社の規定としてより求められるのは「ポケモンGO」に限った「ポケモンGO規定」ではなく、スマホに関する問題全般を網羅できる規定のほうが、今後ポケモンGOの人気が下火になった時にも対応できるのではと思います。

わざわざ規定に「通勤中はポケモンGOしながら歩きスマホしてはいけない」、なんて書かずに「通勤中はポケモンGOしながら歩きスマホしてはいけない」で十分なわけです。

よって、会社がポケモンGOに関して何らかのルールを作るのであれば「ポケモンGO規定」を作成するのではなく、「スマホ規定」をきちんと整備することをおすすめします。

今のところ、まだ問題にはなってませんが、ポケモンGOはAR機能があるので、誤って重大な機密の写った画像を上げたりしないよう「SNS規定」をきちんと整えることも重要です。

 

そういう意味では神戸のこういうのとかも方向性間違ってるというか、視野狭窄もいいところだよねー。

神戸市、ポケモンGO対策にプロジェクトチーム設置

 

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わたしの現状はこんな感じ。鳥と虫と小動物しかいない

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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