以前、東京はいろいろと他とは違うんだよ、という記事を書きました。
当然、就業規則にも地域性が出ます。
例えば、SNSやスマートフォンなどの規定は、スマホ保有率の低い地方ではあまり重要視されないかもしれませんね。だからといって、重要視しなくてもいい、という話にはなりませんが、意識を高く持つのは難しいと思います。
では、名古屋や愛知でより重視すべき規定はなにかといえば、それは「自動車」に関することではないでしょうか。
1. 交通事故死亡者数ワースト愛知県
よく知られているように、愛知県は交通事故死亡者数ワースト1位です。ちなみに、事故発生件数でもワースト。
実は、それがイコールで、愛知県の人や名古屋市民の運転が乱暴だったり下手だったり(いわゆる「名古屋走り」)を証明することになるかというと、そういうわけではなかったりもするのですが。
【12年連続】なぜ愛知県は交通死亡事故数がワースト1なのか?【今年もワースト】
ただ、自動車の保有台数全国1位で、運転免許保有人口が全国4位と自動車への依存度が高い地域なのもまた事実。
車が多くて、免許持ってる人も多ければ、そりゃ事故も起きるよ、っていうのが、つまる所の愛知県の交通事故死亡者数ワースト1位の真相なのですが、いずれにせよ、会社にとって怖いのは、マイカー通勤中や社有車運転中の事故です。
2. 交通安全規定で会社のリスクを回避
人間だから、ミスもするし、軽重問わず交通事故を起こしてしまうこともあるでしょう。
しかし、それが社有車で起これば、当然会社にも責任が発生します。社有車であれば専用の保険に入っているでしょうから損害の程度は知れているかもしれません。
ただ、免許取り消されたのに会社に黙ってて事故を起こした、みたいなことがあると、会社の責任が大きくなってそれはそれで困る。
そのために、社有車の取扱規程などで、免許を取り消された場合はきちんと報告するよう定めたり、定期的に運転記録証明書の提出を求めるようにしておけば、会社は余計なリスクを負わずにすみます。
マイカーでの通勤中の事故の場合、その責任はすべて労働者側にあるのでは、と思うかもしれませんが、通勤というのは労働にかかわる行為のため、規定でその責任の所在を明確にしておいたほうが良いのです。
責任の所在の明確化、というのは、要するに、「マイカー通勤中は交通法規を守って安全運転し、たとえ事故が起こっても会社は一切責任を負わない」ということを明文化しておくということです。
以上です。
世の中に出ている就業規則のひな形というのは、どうしたって東京中心なので、自社で就業規則を作成される際は、特に地方の場合、考慮にいれるべきでしょう。
社労士に依頼する場合、大きな社労士法人でない限り、基本的に社労士はその地域に根をはり、その地域を根をはった会社さんの就業規則を作成することになるなので、地域に合わない就業規則を作る可能性は、業種の違いや規模の違いによるその会社に合わない就業規則を作る可能性ほど高くないとは思いますが、万が一、ということもありえます。
その就業規則が業種にあった就業規則なのか、規模にあった就業規則なのか、地域にあった就業規則なのか、わからない、迷ってしまうような場合はぜひ川嶋事務所にご相談ください。