少ない負担で様々な給付が受けられる雇用保険。前回書いたように、かなりお得な保険です。しかも「誰かに雇われて働く人」が一定の条件を満たせば、正規と非正規の別を問わずに加入することになっています。
パートやアルバイト、派遣労働者の場合、一週間の労働時間が二十時間以上なら加入することになります。契約社員でも、雇用期間が三十一日以上の見込みがなら対象になります。当初は十四日間の雇用で契約しても、その後、十七日間以上で更新されそうな場合は加入対象です。以前は六ヶ月以上雇用される見通しがない人は対象外でしたが、二〇一〇年度から範囲が拡大されました。
ただ、残念ながら加入できない人もいます。まず、学生。学生の本分は勉強ですからね。とはいえ、加入できないのはいわゆる昼間学生だけ。夜間や定時制に通う人、休学中の人なら大丈夫です。
六十五歳以上の高齢者も対象外ですが、六十五歳になる前から働いている会社で引き続き雇用される場合は加入できます。実は、この規定は近く変わります。今国会で法改正されており、来年1月からすべての六十五歳以上が加入対象になります。少子化で労働力が減少する中、元気なお年寄りに長く働いてもらうのを促すためです。
個人経営の農林水産業で雇っている人が五人未満の場合、雇用保険に加入するかどうかは事業者の任意。そのため、労働者が加入できないケースもあります。
雇用保険は非常に手厚いので、会社を経営する人の中にも加入したいという人がいるかもしれませんね。でも対象は、冒頭に書いたように「誰かに雇われて働く人」。経営者や個人事業主は加入できないので注意を。
中日新聞H28.4.28付「働く人を守る労働保険」より転載
4回目ともなりますと、あれですね、なれてしまったのか、書いてる本人も紙面を見なくなる。
…いや、単純に朝時間がなかっただけなんで、帰ったら読むし、一応、事前に画像ファイルもらっているので、紙面でどのように載るのか、みたいなことは確認してます。
で、今回の4回目は自分で言うのも何ですが、結構工夫しました。雇用保険法の被保険者のところって、雇用保険に加入している事業所で働く人は被保険者になれる、って条項の後は、延々「こういう人は入れません」ってことばかり書いてあるんですね。
で、入れない人の話ばかりで紙面を埋めると、ほとんどの人は入れないんじゃないか、という印象を持たれそうだったので、記事の冒頭部分は非正規や労働時間の短い人でも条件を満たせば入れるんだよ、というふうにしてみたわけです。
あと「個人経営の農林水産業で雇っている人が五人未満の場合」っていうのも、他の条件とは別条文だけど、入れないことには変わりないんだから、とまとめてみたりもしましたがどうでしたかね?
同業者の方とか社労士の試験の勉強してる方が読むと、他にも入れない人いるだろ、と思うかもしれませんが、紙面が限られている上に、レアケースのことまで網羅的に書いても仕方ないので省いているんですよ。仮に、文句があるという方がいらっしゃるのであれば、同じ内容を同じ文字数で書いてから言ってくださいな。