追記(平成28年6月22日):平成28年3月31日に無事、改正育児介護休業法が成立したため、本記事の内容を一部変更しました。
追記(平成28年9月6日):厚生労働省より、今回の改正についてモデル就業規則と労使協定が出ました。PDFとリンクを貼っておくのでご参考いただければと思います。
育児・介護休業法に関する規則の規定例・様式例(リンク先PDF)
【平成29年1月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし(厚生労働省公式HP)
昨日の続きです。
平成29年(2017年)1月に施行される改正育児介護休業法、その徹底解説、今回は育児編です。
現在の育児休業制度の内容については厚労省のこちらの資料がわかりやすいので、今の育児休業制度がよくわからない人はまずはこちらをチェック。
参照:労働政策審議会建議「仕事と家庭の両立支援対策の充実について」 (参考資料1)建議の概要等(リンク先pdf)
この記事の目次
1. 育児するものの不利益を更に無くしていく方向
上記の表からもわかる通り、いや、実際のところは非常にわかりづらいんだけど、実は実はで相当に手厚いんですよ、育児休業等の制度って。
(でも、完璧に理解しようと思ったら、人事労務の知識のない普通の人だと理解に半日はかかると思う。)
ただ、見事なくらい就学とともに法律上の支援がなくなっております。小1の壁ができるのもわかるという話。
で、平成29年1月改正の育児・介護休業法の育児部分は、以下のように、これをさらにさらに手厚くしていく予定です。
1.1. 1.子の看護休暇の半日取得
介護休暇同様に、子の看護休暇についても半日単位の取得を認めていく方針です。
1.2. 2.有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
有期契約労働者の育児休業については、①入社から引き続き1年以上の雇用期間があることに加えて、②子が1歳に達する日から1年を経過する日まで雇用関係が続く見込みがあることが条件でした。
また、③子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかな者は対象から除かれていました。
今回の改正では、①入社から引き続き1年以上の雇用期間があることは変更ありませんが、②の雇用見込みの要件はなくなり、③については「子が1歳6か月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでない場合」が条件となり、6か月間期間が短縮されています。
1.3. 3.育児休業等の対象となる子の範囲
現行は法律上の子(実子・養子)に限られていましたが、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子といった法律上の親子関係に準じると言えるような関係にある子についても、育児休業制度等の対象に追加されます。
1.4. 4.妊娠・出産・育児休業・介護休業をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備
現行制度では、会社が、妊娠、出産、育児、介護を行う労働者への不利益な取扱いが禁止されていました。
厚労省は今回の改正でこれをさらに一歩進めて、上司や同僚といった育児や介護等を行う労働者の周りの労働者が、マタハラ等を行わないよう、雇用管理上必要な防止措置を事業主に義務付けます。
また、派遣労働者については派遣先にこの防止措置を義務付けます。
マタハラ防止措置についてはこちらの記事もどうぞ。
以上です。
すでに述べたよう、もともと育児の方はかなり手厚かったので、介護に比べるとそれほど大きな変更はなさそうですが、それでもセクハラ・マタハラ等の防止措置について、企業は今後具体的にどのようにすべきか頭を悩ますことになりそうです。
介護休業編についてはこちらの記事をどうぞ
参考資料: 平成28年雇用保険制度の改正内容について 労働政策審議会建議「仕事と家庭の両立支援対策の充実について」 仕事と家庭の両立支援対策の充実について(建議)(リンク先PDF)、 (参考資料1)建議の概要等(リンク先PDF)