さて、世の中には「学生デモに参加すると就職できない」という噂があります。
この噂が本当かどうか、というのはこのブログの想定読者である企業の経営者や人事・労務担当者の方にはあまり関係ないことなので置いておきましょう。
そうした人たちにとってより重要なのは、こういった噂を真に受けて「学生デモに参加するような学生」の求職を会社は拒否していいのか、ということだからです。
この記事の目次
0.1. 「デモを理由に就職差別」に対する世の中の意見
デモに参加した学生を就職差別については、
と法務大臣が言っていたりします。また、弁護士ドットコムの記事で
若者たちの「反政府運動」 参加を理由に企業が「採用拒否」するのは許される?
弁護士の先生も否定的な意見を述べています。
ただ、読んでもらうとわかりますが、この件に対する、弁護士の先生の歯切れは非常に悪い。
なにせ、最高裁判決では思想・信条を理由とする雇入れ拒否が当然に違法になることはないと認めつつ、その反論として厚労省の指針を上げてますからね。最高裁判決と単なる行政解釈である指針では、どちらが優先されるか、されるべきかは火を見るよりも明らかでしょう。
0.2. 会社には採用の自由がある
どうしてこの弁護士の先生がこんなにも苦しい反論をしているかというと、実は、法律上、明確に採用時の思想・信条を理由とする差別を禁止する規定がないからです。
例えば、労働基準法第三条の以下の規定は、
(均等待遇)
第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
すでに雇用している労働者に対する規定であり、雇入れそのものを制限する規定ではありません(三菱樹脂事件)。
そもそも会社にはどのような労働者を採用するかについて、採用の自由が認められていて、法律に定めがない限り、どのような労働者を雇うのも自由とされています。
なので、SEALDsや学生デモをやるような連中の採用を拒否しても、法律上大きな問題になるとは考えにくい。(内定を与えていたりすると話は変わって来るので注意。)
0.3. SEALDsはネット炎上の常習犯
ただ、法律上いくら問題がないと言っても、ネットが発達した現在では評判が全てであり、それが悪評であればあるほど世の中を伝達していきます。
なので、SEALDsや学生デモをやるような連中については、その政治的な思想がどうのこうのよりも、彼らを雇うことによる世間的な評価と、雇わないことへの世間的な評価を天秤にかける方がより重要といえます。
で、その天秤のかけ方で絶対に抑えておくべき点が炎上リスクです。
以下に上げるように、SEALDsという団体はこれまで幾度となくネット炎上を起こしてきました。
SEALDs女子大生の「就職決まらなくて自衛隊」発言が炎上!自衛隊の倍率は最大100倍の超難関と判明し嘘がバレる!
SEALDs福田和香子氏「社会の最底辺さまよってるようなクズ」暴言で大炎上に!
炎上じゃないけど、こんなのも。
シールズの奥田愛基がふかぼりで完全論破されフルボッコ.フジテレビをネトウヨ呼ばわり.安保法案に関する議論が深まらないのは左翼のせいだ【オークダーキ】
0.4. 「炎上の火種」を雇い入れる価値があるのか
彼らのほとんどは学生なので、上記のような炎上の影響が企業に及ぶことは今までありませんでした。
しかし、彼らがどこかの会社に就職してもなお、今の調子でTwitterなどで発言を続ければ、またいつ炎上が起こるかわかりません。そして、一度火の手が上がれば、それが会社にまでおよぶことは明らかでしょう。そうなれば、会社の社会的信用はガタ落ちとなります。
つまり、会社は、そういったリスクを負ってまで雇う価値が彼らにあるのか、を慎重に考える必要があるわけです。
はっきり言って、安保反対やデモ行進などといった、彼らの思想・信条・政治的な立場などは、こうした炎上リスクに比べれば非常に些細な事です。そもそも安保反対や沖縄の辺野古移設反対という思想は彼ら特有の思想・信条・政治的立場というわけでもありません。
よって、仮に、今後SEALDsのメンバーが雇入れ拒否されたとしても、それは思想・信条・政治的立場による就職差別などではなく、炎上リスクを回避しようとする企業側の当然の判断であり、行政などの監督機関は考えるべきだし、少なくともわたしはそのように介するつもりです。