就業規則

就業規則や社内制度も結局は会社の理念やビジョン次第

2022年5月17日

会社を組織化し、大きくしていこうとするとき就業規則などの社内規程や、社内制度を整えることは非常に大事なことです。

従業員が増えていき、社長だけでは目が届かなくなったとき、その代わりとして機能するのが規則や制度だからです。

 

1. 規則や制度を定める際に重要となるもの

この経営者の分身たる規則や制度を定める上で重要となってくるのは2つあります。

一つは法律、もう一つが会社の理念やビジョンです。

一つ目は、わかりやすいかと思います。

どんなに工夫を凝らし、どんなに経営者の考えを体現した規則や制度を作っても、法律に違反していたら意味がないわけですからね。

では、もう一つの会社の理念やビジョンはどうでしょうか。

 

2. 制度導入で理念やビジョンが重要となる場面

2.1. 制度導入時

規則作成や制度導入で理念やビジョンが重要となる場面も2つあります。

一つは、制度を導入するとき、もう一つはその詳細を定めるときです。

一つ目の制度を導入するとき、というのは、その制度を導入が会社にとって本当に必要か、重要か、意味があるかの判断材料として理念やビジョンが重要になってきます。

最近の流行の制度といえば、選択的週休3日制やジョブ型制度などですが、こうした会社の制度には必ずメリットとデメリットがあります。

そして、どのような制度も、それを入れただけで会社がハッピーになる、ということはなく、むしろマイナスになることだってあり得ます。

だからこそ、理念やビジョンというの会社の判断の軸をはっきりさせ、導入するかどうかの判断をすることが重要なのです。

 

2.2. 制度の詳細を定めるとき

制度の詳細を定めるときにも理念やビジョンは重要になってきます。

こちらは選択的週休3日制度を導入することを決めた、と想定して考えてみましょう。

選択的週休3日制度、といっても実はその中身は様々なのですが、概ね以下の3つの形に分かれます。

① 賃金減額・労働時間減少型

② 賃金維持・労働時間減少型

③ 賃金・労働時間維持型

 

①は、労働時間が減るんだから賃金も減らす、というある意味、一番わかりやすい形です。

②は、賃金はそのままで労働時間だけ減るのだから、労働者からするととても良さそうに見えます。

③は、変形労働時間制などを利用し、休日を増やす代わりに、それ以外の労働日の労働時間を延長するという方法です。1日の労働時間が増えても休日が増えるのが良いのか、というのは人それぞれの考えによるかもしれません。

この中からどれを選ぶのかは、会社の業務内容や現在の業務量と人手のバランス、賃金の予算などを基に決めるのが普通です。

その一方で、理念やビジョンを基に決めるという方法もあります。

例えば、上記の選択的週休3日制度の場合、現状を維持するなら①か③だけど、会社の理念やビジョンの達成のために②を選ぶ、というような場合がこれにあたります。

 

3. まとめ

会社の規則や制度は、法律に違反しない限り、無限の選択肢があります。

そうした中で、会社に合うものを導入し、定めるとなると、やはり理念やビジョンといった、会社としての軸がないと結局は導入しただけ定めただけ、で終わってしまいます。

一度、みなさんの会社の理念やビジョンも一度見直してみてはいかがでしょうか。

今日のあとがき

わたし、これまで大河ドラマとか見たことないのですが、なんでも、来年の大河って、紫式部が題材だそうですね。

これにはさしものわたしもちょっと惹かれるものがあって、というのも、わたし源氏物語の大ファンなのです。

さすがに古語の源氏物語は読んだことはありませんが、瀬戸内寂聴訳の現代語訳版は履修済み。

源氏物語そのものが題材ではないので、来年の大河を見るかどうかともかく、その報を聞いて自分の中の源氏物語愛が増幅。

気が付いたら、角田光代訳の源氏物語の現代語訳版を買ってしまいました。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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