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外国人技能実習生はキャリアアップ助成金の対象となるか

2022年4月25日

 

キャリアアップ助成金のよくある質問として、外国人労働者にも使えるのか、というものがあります。

これ、実は厚生労働省が出してるQ&Aに答えがそのまま載っているので、以下に転載。

 

正社員化コース その他のコース(処遇改善支援コース)
外国人技能実習生 
就労目的で在留が認められる外国人(在留資格の例「技術・国際業務」など)
在留資格が「永住者」
在留資格が「定住者」
在留資格が「特定活動(EPA受入れ人材(看護師・介護福祉士))」
在留資格が「特定技能第1号」
在留資格が「特定技能第2号」

出典:「キャリアアップ助成金Q&A(令和4年度)」(出典:厚生労働省)

 

1. 外国人技能実習生にキャリアアップ助成金の正社員化コースは使用できない

目を引くのが、外国人技能実習生には、正社員化コースを使うことができないということ。

外国人技能実習生というと「非正規」のイメージがありますが、名目はあくまで「日本で技能を身につけて、母国でそれを活かす」ための制度。

つまり、実習生が最終的に帰国することが前提となっている制度です

一方、キャリアアップ助成金は非正規の労働者を正社員化して、その会社で長く働いてもらうことを支援することを目的にしています。

このように、外国人技能実習制度とキャリアアップ助成金の正社員化コースの目的が全く噛み合わないので、外国人技能実習生にキャリアアップ助成金の正社員化コースは使用できないのです。

これは在留期間が最長で5年と決められている「特定技能第1号」も同様です。

 

2. その他の外国人労働者に関する注意点

その他の注意点として、まず、EPA受入れ人材(看護師・介護福祉士)に関しては、試験に合格した場合は対象となるものの。

試験合格前の候補者は対象となりません。候補者の段階では在留期間に上限があるためです。

一方、最近、初めて認定者が現れたことで話題となった「特定技能第2号」に関しては、在留期間に上限はありません。

そのため、キャリアアップ助成金の正社員化コースの適用も可能です。

 

今日のあとがき

この技能実習生はキャリアアップ助成金の正社員化コースを使えるか問題ですが、実は、弊所のクライアントから「できる」から「やりたい」と相談されたことがあります。

どうも、そのクライアント、外国人技能実習生の管理団体から「できる」と言われたかららしいのですが、実際は上記の通り。

人間、間違えることはあるので、あんまり批判してもしょうがないんですけどね。

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  • この記事を書いた人

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

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