「「特定」社労士って?」(社労士のすべてがわかる?四コマ 第十話)

1. 特定社労士とは

四コマの中でも説明していますが、特定社労士(特定社会保険労務士)とは、労使間のあっせんや調停の代理ができるようになります。

ただ、あっせんや調停には法的拘束力がないので、あっせんや調停内容に納得がいかず、裁判等になってしまうこともあります。

特定社労士であっても裁判の代理人にはなれないので、争いの場が裁判所になってしまうと、以降は社労士が関わることはできません。

このように士業が社労士だけしかいないならともかく、他に弁護士や司法書士がいる中では、はっきり言って、かなり中途半端な存在と言わざるを得ません。

 

2. 特定社労士は普通の社労士より上?

その名称から、知らない人が聞いたら、普通の社労士よりも優れているように聞こえるかもしれませんが、まあ、どうなんでしょうかね(ちなみに、社労士会が出す名刺広告ではこれを理由に「特定」を持っていても「特定」と付けることができません)。

この辺りを掘り下げると、特定持ってる社労士と持ってない社労士の終わりなきマウントの取り合いになるのあまり踏み込む気になれませんが、普通の社労士よりも扱える商品が多いのは確か。

言ってしまうと、コンビニの看板に「ATM」とか「酒類」が付いてるかどうかの違いと考えてもらえば、だいたいあってるんじゃないですかね。

といっても、コンビニで酒類の販売ができるようになったばかりの頃やATMが出だした頃と違って、最近はどこのコンビニもほとんど付いてますけどね。

 

3. 商品は売れなければただの在庫

結局、「特定」で行う業務も、社労士の商品の1つである以上、それが売れなければ意味がないわけです。

売れない商品はただの在庫。

知識は在庫にはなりませんが、その知識を得るための時間は無駄になります。

なので、これから社労士になりたい、特定も取りたい、という人は、特定を取って何をどう売りたいのか、という点を明確にしないと、時間とお金の無駄になるかも知れません。

社労士、だろうと特定社労士、だろうと、資格がご飯を作ってくれることはないわけですから。

 

ちなみに、最後の「くじネタ」は、うちの近所のコンビニがだいたいこういう感じなので、そこから拾ってきました。

うちは一応、名古屋市内なので田舎というわけじゃないけど、高齢者が多い地域なので、こういうオタク系の商品を買う人が近所にいないみたいです。

 

 

社会保険労務士 川嶋英明

社会保険労務士(登録番号 第23130006号)。社会保険労務士川嶋事務所の代表。「いい会社」を作るためのコンサルティングファーム「TNC」のメンバー。 社労士だった叔父の病気を機に猛勉強して社労士に。今は亡くなった叔父の跡を継ぎ、いつの間にか本まで出してます。 著書に「「働き方改革法」の実務」「定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務」「就業規則作成・書換のテクニック」(いずれも日本法令)のほか、「ビジネスガイド」「企業実務」などメディアでの執筆実績多数。

2019年7月26日